希少かつ高価な天然石ラリマーをもっと知りましょう!
〜ラリマーの知識〜
ラリマーは、カリブ海に浮かぶ小さな島、ドミニカ共和国から産出されます。
正式名称を『ブルー・ペクトライト』。
宝石業界でもっとも有名なのが『ラリマー』と呼ばれるドミニカ共和国由来の名前のため、正式名称はあまり知られていないようです。
『ラリマー』の語源は、発見した地実学者の娘『ラリッサ』とスペイン語で"海"を意味する『マール』を組み合わせたことに由来します。
比較的新しいパワーストーンで、発見されたのは1974年。
ノーマン・ライリングにより、南部のパオル村の鉱山から発見されました。
その時期は、ちょうど世界的に環境保護の動きが高まったころにあたります。
『平和』『自然との共生』というキーワードをもつこの石は、自然環境の保護と人々の意識の芽生えを象徴した石ともいえるでしょう。
1985年、アメリカの宝石商が『カリブ海の宝石』と売り出したことにより、そのネーミングのおもしろさと美しさから次第に人気が高まってきたといわれています。
主な産地のドミニカ共和国は、アトランティスの失われた大陸だったという伝説をもつため、このラリマーは別名を『アトランティス・ストーン』と呼ばれることもあるそうです。
また、カリブ海に泳ぐイルカをイメージした『ドルフィン・ストーン』という可愛らしい別名もあります。
〜ラリマーの主要産地〜
イギリス、アメリカ、カナダ、グリーンランド、スウェーデン、ドミニカ、ロシア、モロッコ、チェコなどから産出します。
ラリマーは世界で一カ国、そして一ヶ所でしか産出されません。
具体的には、ドミニカ共和国内南部のパオルコ鉱山のみで発掘されています。
しかしペクトライト自体はイギリス、アメリカ、カナダ等からでも採掘されています。
ドミニカ共和国で産出する、空青色のペクトライトを特別に『ラリマー』と呼ぶため、非常に希少価値の高い存在になっているのです。
それは、世界中で認識されることとなり、日本においても人気が高まってきています。
〜鉱物学〜
正式名称を『ブルー・ペクトライト』。
日本名を『ソーダ珪灰石』。
その名のとおり、化学成分上では、珪灰石にソーダと水酸基が含有されたものとされます。
別名を『曹灰針石』。
これは、ソーダとカルシウムを含有していることと、繊維状の集合状態にあることに由来します。
ラリマーは、発見されてから未だ30年程度しか経過していないため、新鉱物類に属します。
ブルーのペクトライトは、チェコからも産出されます。
この美しい空色は、バナジウムという成分によって発色します。
バナジウムの代わりに、マンガンを含有するとブルーに劣らず美しいピンク色のペクトライトが生まれます。
玄武岩質の溶岩の空洞に沸石鉱物(ヘウランダイト、フィリプサイト)等と共産します。
三斜晶系に属した針状結晶体が放射状に集合したものや、繊維状構造からシャトヤンシーを示すものがあります。
また、よくぶどう状でも発見されることがあります。
カボション・カットすると美しいカット石になりますが、この石は、高度のわりに靭性が高く、研磨には非常に高度な技術が必要とされています。
ラリマーは、西インド諸島の"コンク・パール"、ドミニカ共和国の"琥珀"と並ぶ『カリブ海3大宝石』のひとつ。
その美しさと希少性から、近年特に人気の高い石のひとつといえるでしょう。 |